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「もし良いデザイン思いついたらーーー ーーー…僕も描いて見てもいいですか?」 俺は憂に尋ねてみた。 憂は一瞬目を大きくしてから、目尻を優しげに下げ「もちろん」と答えた。 「ただ、あまり時間がないのでーーー… 今週中にはデザインの案や希望があれば教えていただけると助かります。 ーーー私からもデザイン描いたら、なる早で送りますので…修正とか希望も、あれば教えて欲しいです」 憂は言いながら手元の資料をまとめ、クリアファイルに閉まう。俺はつい愛の手元に視線をやる。 憂の薬指は空っぽーーーつまり憂は、結婚はしていないという事だろうか。 「ーーーわかりました… ーーーもしよかったら今週の金曜日…お時間空いてたりしませんか…? …デザイン…一緒に考えたくてーーーー」 憂と2人で会う為の口実を提案した俺は、憂の答えを待つ。憂は一瞬考える様な素振りをしたが、すぐに口元から笑顔を作った。 「ーーー金曜日ですね…! 私はお休みなんですけど…特別予定無いので、大丈夫ですよ。 ーーーこちらに…伺えば良いですか?」 「いやーーー…僕も休みなんです。 なので何処かで…デザインを描きながら案を出し合ったりしたいなと思ってーーー… ーーーもしご都合悪ければ、全然大丈夫です」 俺は憂の表情を窺いながら一旦引く姿勢を見せる。 憂が俺と休日会う事を拒むならーーーそれは仕方ない。恋人がいる可能性だってあるしーーー今は結婚指輪をしてなくても結婚している人だって沢山いる。
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