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「デザイン、考えて来てくれたんですね」 俺のカバンの隙間からクリアファイルの角が出ているのに気づいたのか、憂が言った。 「考えてきました。素人なりに」 俺が笑って答えると、憂も微笑み返した。 「東堂さん、私と店長が話す前から『デザイン系は平君で』って言ってたんですよ。 オシャレだし、センスいいからって」 憂は答えると既に注文してあるドリンクを一口飲んだ。憂のドリンクには「soy milk(ソイミルク)」というシールが貼られ、憂のドリンクに豆乳が使われている事を示している。 俺は自分もドリップコーヒーをホットで頼み、店員からカップを受け取ると、憂の横に再度座った。 「見せたいものがあるんですけど」 憂は俺が席に着くなり告げ、パソコンの画面を見せた。横を向いたアルマジロの顔が、一番最初に目に飛び込んできた。 「ワイナリーのロゴなんですけどーーー… こんな感じでどうでしょう。 平さんからお話を聞いてアルマジロの上にお店のロゴがきて尻尾に繋がる…って感じで、デザインしてみたんですけど」 俺は憂の考えたデザインを、あらためて細かいところまで見た。顔が小さく、甲羅がロゴで出来ているアルマジロ。 甲羅にはきちんと『アルマディージョ』の文字が入っており、シックでありながら可愛らしさもあるデザインとなっていた。 「素敵ですね…これなら商品にロゴが入っても馴染みますし、ファッションにも取り入れやすいと思います」 俺はお世辞でもなんでもなく、思ったままを口にした。 憂は両方の掌を合わせて嬉しそうな顔をする。 「ありがとうございます! じゃあ、ロゴはこれでいきますね… 平さんにそう言って頂けて、自信もてました!」 憂はそう言うとすぐにパソコンの画面を切り替え、今度はパソコンの画面にさまざまな角度から見たサングラスを映し出してくれる。
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