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「平君!!!」 東堂さんから名前を呼ばれ、ゲストハウスの清掃をしていた俺は振り返った。 東堂さんは紙を手に持っており、俺が振り返るとその紙を高く掲げ、近づいてきた。 「やったじゃん! 流石オシャレ番長!」 肩を叩かれた俺はその紙を手に取り、中に書かれている文字を読む。 紙に描かれてあるのは、東堂さんへと送られたメールのコピーだった。 『東堂君、お疲れ様 うちの佐崎と平さんで考えてもらった商品デザイン、社長にも他のスタッフからも大好評でした!!! もうみんな太鼓判!!! これから商品のサンプル作成に取り掛かって、OKが出たら直ぐに製造して夏には販売になります! もし良ければお祝い兼ねて、今日か明日にでも飲みに行きませんか?僕と佐崎は今週は仕事が落ち着いているのでいつでも大丈夫です。 平さんと東堂君のご都合に合わせてもらっていいので、ご連絡お待ちしてまーす! 駒場陽介』 憂とデザインを考えてから、ちょうど1週間。 この計画を知った時から思ったが、随分急ピッチで進む展開にあらためて驚く。 たった1週間でデザインのチェックを駒場さんが終え、社長のチェックもクリアして製造に取り掛かる。 俺には随分早い展開に感じるが、衣類や雑貨の製造というのは、本当に急げばこれくらいのスパンでも出来るものなのかもしれない。 「平君今日空いてる? そこにも書いてるけど駒場さん達の奢りで、お祝いで飲みに行かないかって言われててーーー 駒場さんも佐崎さんも明日休みみたいで、出来れば今日行けたらなって言ってたんだけど、どう?」 俺は言われ、少し考える素振りをして見せる。 予定なんて何もないがーーー最初駒場さんと憂とノーヴに行くことすら躊躇っていた自分が二つ返事で行くと言うのも変な気がしたからだ。
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