53人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
「鍵閉め、ヤマさんと健太でしてくれるみたいだから。
俺と平君は18時なったら店出て志波裏駅向かお」
俺は返事をしながら、再来週に健太と立てた旅行の計画の事を思い出した。
ゴールデンウィークという繁忙期前の、有休消化も兼ねた男2人旅。健太は俺より3つ年下の29歳で、今年の秋に彼女との結婚が決まっている。温泉とドライブという、俺と共通した趣味を持っていて、結婚したらあんまり自由に遊べなくなるからと年明早々に健太が俺を旅行に誘ってくれた。
行き先は福嶋県の小名浜にあるリゾート施設でグランピングを楽しみ二泊し、そこから山型県の金山温泉で一泊、更にそこから北上し、秋多県にある尾久山旅館で一泊して帰るというプランだ。
福嶋県の小名浜のリゾート施設は日本にいながらフラダンスショーやスパなどハワイにいるかの様な体験とグランピングを両方味わえるし、金山温泉はジプリ映画『百と百音の神隠し』の世界観の様だと有名になった場所で、俺も健太もずっと行きたいと思っていた場所だった。
さらに秋多県にある尾久山旅館にある温泉は全国的に珍しい泥湯で、俺も健太も泥湯初体験という事で行くことを決めた。
アルマディージョでは繁忙期を除いた好きな月に、スタッフが1人か2人ずつ、時期をずらして長期休暇を取り有休を消化しており、俺と健太は今回一緒に休みを取り『東北男2人旅』に行くことにしたのだ。
そうだお土産ーーー憂にも買ってこようかな。
憂もそう言えば昔ーーー金山温泉や泥湯に行ってみたいと言っていたっけーーー
最初のコメントを投稿しよう!