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「なんかさ、試飲セットの抽選とかアルマディージョの見学セット、割引券とか、アルマディージョでワインを楽しめるものが抽選で当たるようになってるじゃない? ーーーだから迦桜町(かざくらちょう)の夏祭りの時は、ワインに合う食べ物の出店がいいよね」 駒場さんは先程注文した焼酎を置き、憂に視線を送った。 「そうですね。あからさまにワインを使ったメニューじゃなくても、ワインに合うメニューの出店の方がいいと思います」 憂は口元を手で隠して頷いてから、おかわりした鶏皮を食べた口にハイボールを流し込む。 憂ってハイボールも飲めるんだ。 俺と付き合っていた時の憂は甘いお酒しか飲めなくて、カシオレとかカルアミルクとか…そんなのばかり頼んでたっけ。 でもーーーなんだっけ…憂が唯一飲めた、甘く無いカクテル…真っ赤な色のーーーーー 「あ、すみません ーーーブラッディ・メアリー1つお願いします」 それだ!!! 心の中でつぶやいた俺は、つい顔を憂の方に向けてしまう。憂と目が合うと憂は不思議そうな顔で俺の顔を見つめ返した。 酒が回って来てるのか、いつもよりほんのりと頬が色づいている。 「ーーーーー? ーーー平さんも飲みます? ……ブラッディ・メアリー」 「あ……じゃあ… …ーーー…お願い…します……」 「ーーーーー? ーーーすみません。やっぱりブラッディ・メアリー2つで」 店員へのオーダーをし直す憂を見つめながら、俺はやってしまったと思った。 そうそうーーーーブラッディ・メアリーとか…レッドアイとか…トマト大好きの憂はトマトジュースベースの酒は昔から好きだった。
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