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「話戻るけどーーー何が良いと思う?
迦桜町の夏祭りのメニュー」
駒場さんはメニュー表で作った壁をおそるおそる外しながら、俺と東堂さんに尋ねた。
憂はブラッディ・メアリーをハイボールの隣に戻し、残りのハイボールを少しだけ早いペースでゴクゴクと飲んだ。
「パエリアとか…ステーキとか…?」
東堂さんは自信なさげに言いながら俺の方へ顔を向けた。
いいかもしれないけど…夏祭り向けのメニューかと言われるとどうだろう。値段…結構高くなってしまいそうだ。
「値段…周りの店と比べて高くなっちゃいそうじゃないですか…?」
「確かにね」と駒場さんが頷く。
周りの出店と比べて明らかに値段が違うと、買うのを躊躇ってしまう人もいそうだ。
「チーズ系どうですか?
チーズケーキとか…カマンベールチーズに、ナッツとメープルシロップかけて焼くとか」
憂の提案に、俺だけでなく駒場さんも東堂さんも目が点になる。
甘い系で行くつもりなのか…?
どう考えたって夏祭りで食べるメニューじゃないだろ…!?カフェとかバーで出すならまだしも…それはちょっと…
「夏祭りって感じじゃないでしょ!
チーズケーキもメープルシロップも!!!」
駒場さんが驚いた様に言うと憂は同じように驚いた顔をして「私は食べたいですけど」と答えた。
それは憂が無類のチーズ好きだからだろ!!!
ーーーー何が良いかな…という事は…甘くてワインに合うデザート系ではなくて…そこまで値段が高くならない、しょっぱい系かーーーー
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