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「…ローストチキンとかどうですか?」
俺が言うと、全員が一斉に俺に視線を向けた。
ワインに合う、値段もそんなに高くならない、おつまみ系。
「あの…クリスマスに食べるやつですよね?」
憂に尋ねられ、俺は頷いた。
「クリスマスに目にする様な大きい骨付き肉でやるんじゃなくて、手羽元を使って…タレじゃなくてマリネ液に漬けて焼くと、ワインにすごく合うんです。
持ち手にアルミホイルを巻けば、手も汚れないしーーーそれでも気になる人にはおしぼりつけてあげると親切かもしれないですけど…
前日から仕込んでマリネ液に漬けてオーブンで焼けば簡単にできますし…あとは同じやり方で手羽先に塩胡椒とスパイス乗せて焼くとかしてもパリパリして美味しいんです…
鶏肉料理ならそこまで値段も高くなくできるし、手間もかからないので、いいかもしれません」
俺が言い終えると、駒場さんは大きく頷いた。
「それ、めちゃくちゃいいね…!
何より手間がそこまでかからないってのがいい…!骨の周りの肉って美味しいって言うし、ミニローストチキンみたいな、アルミホイルが巻かれた小さい手羽元も、なんだか可愛いし映えそうだよね」
「そうですね!
オーブンなら私のお家にもあるので持って来れますしーーー手羽元や手羽先ならそこまでお金をかけずに調達出来ます。色んなスーパーで購入できる部位ですし」
憂は一気に嬉しそうな笑顔を浮かべ、俺を見た。
視線を向けられた俺は駒場さんより憂から賛成された事が嬉しく、それが悟られない様に意図せず注文する事になったブラッディ・メアリーに口をつける。
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