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「めちゃくちゃ良いアイディアだよそれ。
平君、料理結構してるもんね」
東堂さんに言われ、俺はブラッディ・メアリーをテーブルに戻してからおしぼりで口元を拭いた。
「ほとんど夕飯だけですけどね。
東堂さんのおかげでワイン好きなんでーーー…ワインに合うレシピとか食べ方とか見聞きすると、つい試したくなっちゃって…
でもそんな器用じゃ無いんでーーー漬けた食材をオーブンで焼くだけとか…鍋に入れた食材をタイマーかけて煮込むだけとかーーーそういうほっとく系が好きで…よく作ります」
昔は夕飯もコンビニやスーパーでよく買っていたのだけど、意外に出費がかさむし、帰り道に毎回買っていると大体決まった物を買うようになって来て味にも飽きてしまう。
それで段々と自分で時間を見つけては料理をするようになり、ここ数年前はほぼ毎日自炊をしている。
「じゃあ、ローストチキンで行こうか!
ーーーー平君もし良かったらさ、後でそのローストチキンのレシピ教えてもらえる?
もう一つの、手羽先パリパリさせたやつもお願いしたい」
俺はあらたまって膝に自分の拳を乗せた。
時々おちゃらけた印象の駒場さんだけど、駒場さんにはこういつ商談というか仕事の話になると、人をしゃんとさせる何かがあると思う。
「いいですよ。
後でレシピ、メールで送りますね。
本当に簡単なんで、拍子抜けさせちゃうかもしれないですけど」
俺が言い終えると同時に駒場さんは喜び、駒場さんの掛け声で再び全員で乾杯をした。
夏祭りの出店のメニューをローストチキンで一旦決めた俺達は、その後は個々の趣味や好きなもの、考え方などの様々な雑談をして料理とお酒を楽しんだ。
そのまま一時間程壱ノ酉で食事を楽しんだ俺達はそのまま解散し、東堂さんと駒場さんは2人で行きつけのスナックに行くと行って志波裏駅の西側へと消えていった。
俺も誘われたのだが、俺は明日も仕事だからと告げて帰宅する事にした。
本当は憂が帰ると言ったから、自分も帰る事にしたのだけれど。
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