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「デザインの件はね、平君に任せちゃおうと思っててーーーうちのオシャレ番長だからね」 突然言われ、何の事かわからない俺は顔を上げた。デザインーーーー? 「デザインはそうだね! 若い2人に任せて、おじさん達は引っ込んでるよ」 憂はシーザーサラダを食べた口を隠しながら、困ったような目を駒場さんと東堂さんに向けた。 「そんなこと言わずに…! ーーー完成したらちゃんとチェックして、ダメならダメって言ってくださいね」 俺は話について行けず、東堂さんの顔を見た。 東堂さんは言い忘れてたとでも言うように瞳をぱちぱちとさせ、喋り出した。 「ーーーコラボ商品のデザイン、佐崎さんと平君に任せようと思って」 「ーーー…は…?」 思わず、上下関係を気にしないリアクションをしてしまう。 「Tシャツとか、アクセサリーとかコースターとか…コラボグッズ出すって言ったでしょ? デザインを平君も一緒に考えて欲しくてーーー 佐崎さん、スタッフだけどデザイナーもやってて。学生時代はずっと美術部で、絵もめちゃくちゃ上手いんだって」 東堂さんは憂に視線を移して言った。 憂は恥ずかしそうに俺を見てから、頭を少しだけ下げた。 そんなことしなくても憂が中学時代から大学までずっと美術部に所属しーーー賞を何度も取っていることは知っている。 中学の頃は憂の描いた絵を近所の医師の先生が気に入り、病院に飾られたこともあったらしいし、高校の頃は読書感想文ならぬ読書感想画コンテストで賞を取ったとも聞いた。 その憂がデザイナーになっていてもなんら驚かないが、自分と一緒に仕事をするとなると別だ。 そんなのできるか。 お互いーーー気まずいだけだ。 「服にこだわりはありますけどーーーデザインとなると話は別ですーーー… ーーーここはやっぱり東堂さんにお願いしたいです」 俺ははっきりとそう告げて、気まずい気持ちで小さな咳払いをした。 出来るかよーーー…憂と2人で話し合うとか、デザイン考えるとかーーー…
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