#7 影山さんのこと 私のこと

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今日もまた大きな荷物を持って影山さんのマンションへ帰る。 「本当にすみません、助かります……あ、先にお風呂入ってください」 言えば影山さんは遠慮する。 「斎藤さんが先に入んなよ、先に入って早く休んで」 「いえ、私は少し荷物を解体しますし、明日の準備もしますので、その間に」 朝ご飯の弁当だ、明日がちゃがちゃしたくないから。 「そういうことならお先にいただくね」 影山さんは笑顔で言って一旦寝室に入っていく。私はまず冷蔵庫を開けた、今日も持ってきたものがあるから……佃煮とかなんだけどね。開ければすぐにそれが目に入る、密閉容器が増えてる。ただでさえ埋まっていたのに、さらに押し込められている。 「あれ?」 思わず声が出た、寝室から出てきた影山さんがどうしたのと聞いてくれた。 「影山さんもなにか作られたんですか?」 「いや、俺はなにも……ああ、母かも」 「え゛?」 ここって、影山さんのお母さんも出入りしているの!? 「俺が店の賄いしか食べてないの知ってるから、居酒屋のご飯なんて揚げ物ばっかでしょーって感じで、たまに家で作ったもの、持ってきてくれてるんだ」 「そ、そうなんですね……ご実家は近いんですか?」 「うん、徒歩で5分くらいなんだよ、母だともう少しかかるかな」 「え、そんなに近いのに分譲マンションを?」
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