#8 モラハラ男を排除します

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影山さんは言いながらカウンターテーブルの先日と同じ席にある『RESERVE(予約)』の札を手にして、フロアにやって来る。どうぞと案内してくれたのは窓際の席だ。 「えーっと、畑さんでしたね」 さすが同じチームで働いていただけのことはある、畑さんのことも覚えていた。畑さんは嬉しそうに微笑んだ。 「はいぃぃぃ!」 なんともねちっこく返事をする、影山さんに名前を呼ばれだけで嬉しいんだろうな。 「えー、ここに来るって約束してたってこと~? なんか仲良しじゃない~? いつの間に~?」 「日曜日にたまたまここに来てくれて、以来ビール教育をしています」 畑さんの疑問に影山さんがにこやかに答えれば、畑さんは無意味にきゃあと声を上げた。そこへおしぼりを持った美優さんがやってくる、完全にしかめっ面だ。 「ありがとう」 わざわざ影山さんが受け取りテーブルに置いたのは、私と関わらせないためだと思ったのは気のせいじゃないと思う。美優さんは私を睨みつけ、くるりと背を向けた。 「あ、先に伝言いい? 斎藤さんのマンションにはまだ元カレ君は現れてないよ。今日は来ないのかな、もう諦めてくれたならいいね」
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