僕だって

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僕だって

 朝日に呼ばれて目覚めた時、ライラはいませんでした。一瞬探してしまいますが、こういう日だって珍しくありません。お金が足りないときなんかは、よくあることでした。  僕もお金を稼げれば、辛さだって分けあえるのに――考えていたら、いい案を思い付きます。嬉しいことに、今日は体が自由に動いてくれる日みたいです。  いつかに聞いたことがありました。お金持ちは、まだ使えるものをよく捨てていくんだよ。それを売ればお金になるんだよ、と。  そのくらいならば出来そうだと、ネリネは探しに行ってみることにしました。  ごみ捨て場には、色々なものが落ちていました。使い方の分からないものも多かったけど、どれもがお宝に見えました。  フルーツの皮やお菓子の空袋は違うとしても、ネジだったりボタンだったり、たくさんのものが煌めきを放っています。  ネリネは両方のポケットに、たくさんのお宝を詰め込みました。それから、両手にも色々抱き締めます。  これらが全て、お金に変わると思うと嬉しくなってきます。  重くなった体を一生懸命動かして、ネリネはお店に行きました。
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