マネキンの首

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倉庫には見える範囲ではシャッターとドアと小さな窓しかない。 その窓の明かりがついていたこともあるので誰かが使っているようなのだが、会社のものらしき倉庫には会社名はおろか、なにも文字は書かれていなかった。 シャッターの前に細道と同じくらいの幅がある荷車がいつも置いてあるのだが、それも今日はない。 俺は雅俊と顔を見合わせた。 そしてそのままシャッターをくぐった。 中にはマネキンがあった。 胸のふくらみその他から見て女性のマネキンだ。 数えてみるとその数はちょうど二十体。 なんのために二十体ものマネキンがそんなところにあるのかはわからないが、とにかくあるのだ。 俺と雅俊は無言でマネキンを眺めていたが、やがて俺は外に出た。 見ていても当然のことながら何の変化もないし、なにもわからないからだ。
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