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「そうやな……。まず土下座やな。土下座をして謝ってもらおうか」
にやけて乙女が、地面を指さした。
「わかった。謝る」
地面に膝をつける綺羅愛。更に俯いて両手を地面につけた。
それを見下ろしながら明日香と乙女が、スマホのアプリからサイバーマジックを発動する。
明日香のスマホは、赤く輝き、乙女のスマホは青く輝く。
「サイバーマジック、『火の粉』で、あんたのソバージュ頭をチリチリにしてあげるよ」
明日香が、ディスプレイに魔法陣を描き始めた。
「安心しなはれ、うちのサイバーマジック、『バケツの水』ですぐに消してあげるがな」
乙女も魔法陣を描き終える。
「ホントにごめんなさい! 私が悪かったの。 ごめんなさい!」
頭を地面につけて謝る綺羅愛。
「そんじゃあ、これで許してあげるよ」
スマホを差し上げると、花火のように火の粉が噴き出した。火の粉が綺羅愛の頭に、降りかかろうとした時。
「あぶない! 綺羅愛」
綺羅愛に覆いかぶさる影。
いそいで駆け付けた萌だった。土下座をしている綺羅愛を庇って、背中に火の粉を受けた。
「あちちちち!」
火の粉とはいえ、まともに浴びればチクチクと熱さを感じる。思わず声が出る萌だった。
「熱けりゃ、冷やしてやるよ!」
乙女の『バケツの水』が、バシャッと背中を濡らす。綺羅愛がぬれないようにしっかりと庇う萌。
それを見て、空子は、静流を指さし叫んだ。
「何てことするの! 静流ちゃん、先生を呼んできて!」
「はい! わかりました!」
校舎の方へ駆けていく静流。
それを見て、レイアと神楽耶も、
「私たちも担任に知らせよう!」
静流の後に続いた。
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