Ⅳ ガラマジ組 魔法修行中!

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 呪文を考えようにも、周りに突き刺さっているつららが、気になる5人だった。空子(くうこ)は、つららを指先で突いている。 「あら、皆様、寒いかしら。では、魔法の解除をいたします。魔法を消す時も、呪文を唱えますのよ。はい! 『冬(きた)りなば春遠からじ。バイビー!』」  千子が、ジュリ(せん)を振ると、全てのつららが、湯気になって霧散(むさん)した。 「では、改めて呪文を(したた)めてください。あ、解除の呪文も、お願いしますね」  ジュリ扇をゆらゆらとあおぎながら、生徒の机をまわる千子(ちこ)。 「あっ、先生」  (もえ)が手を挙げた。 「何でしょう? 安田萌(やすだもえ)さん」 「呪文の『古典魔法発動』の所を、『ガラマジ発動』に変えていいですか?」 「にゃるほど、それはいいですね。二文字減って、詠唱がより速くなりますわね」 「じゃあ、できた!」 「おっと、安田萌さん、もうできましたの。ちょっと発表してくれませんか」  萌が、ノートを持って立ち上がる。 「えっと、あたしは、炎系の魔法です。言います!『燃えろ燃えろ真っ赤に燃えろ!』『ガラマジ発動!』『地獄の業火(ごうか)!』で、解除呪文は『鎮火(ちんか)!』です」 「はーい、シンプルでイメージしやすくて、とっても良いですね。速攻の攻撃魔法の呪文に最適です!」 「は、はい。あたしは、速さで勝負です」 「素晴らしい!」 「先生、あたいもできました」  奈々(なな)が手を挙げた。 「ほう、では、蛇ノ目(じゃのめ)奈々(なな)さん、発表してください」 「あたいは、召喚魔法の呪文です。『闇の中の妖怪ちゃん。あたいに力をかしとくれ、君に決めた!』『ガラマジ発動!』『座敷童子(ざしきわらし)召喚!』そんでもって、解除は『よくやった! 戻れ座敷童子!』」 「なーんか、聞いたことのある台詞(せりふ)のような……。でもイメージは湧きやすくて、よろしいです」 「次は、綺羅愛(きらら)が発表しまーす!」 「はい、深山(しんざん)綺羅愛(きらら)さんですね。どうぞ発表して下さい」 「はーい。ではでは、回復魔法の呪文でーす。『いたいの、いたいの飛んでイケー! もう大丈夫だよ!』『ガラマジ発動!』『なんでも軟膏(なんこう)!』解除は、『はい、もう大丈夫』です」 「ほう、『なんでも軟膏』ね……。何かアニメ『ドエらもんのないしょ道具』みたいな……。でも、可愛くていいと思います」 「イエイ!」  目の所でピースサインをする綺羅愛。 「あとは? 城将(しろかど)空子(くうこ)さんと石川(いしかわ)静流(しずる)さんですね」
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