Ⅴ 対決! ガラマジ VS サイバーマジック

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 巨大なガイコツが、ゆらゆらと明日香(あすか)たちに近寄って行く。  その巨大なドクロで、頭突きをされたり、手で()ぎ払われたりしたら、大ケガをしそうだ。  サイバー組の生徒は、()()りにその場を離れる。  明日香は、唖然として立ち尽くしていた。乙女(おとめ)が、明日香に叫ぶ。 「明日香! ヤバいよ! 逃げるよ」  乙女が、手を引くが、腰に力が入らないのか、動けない明日香。  がしゃどくろが、骨の手を上げた。このままだと、明日香たちは叩き潰される。  その時、鋭い声がした。 「空子(くうこ)さん! 『マナス』の供給を()めなさい! 魔法をキャンセルしなさい!」    マスターの声だ。ハッと我に返る空子。 「魔法を解除します! お疲れ様でしたー!」  空子の輝きが消える。奈々(なな)への『マナス』の供給が止まった。 「奈々ちゃんも、魔法を解除して!」  叫ぶ空子。 「わ、分かったよ。 よくやった! 戻れ、がしゃどくろ!」  解除の呪文を唱える奈々。体から発していた緑色の光が細かい粒となって霧散(むさん)した。がしゃどくろが、透き通っていく。やがて、フッと消えてしまった。   「みんな、大丈夫? 遅くなってごめんなさい」  半泣きの静流(しずる)が、ガラマジ組4人に頭を下げる。 「いいや、静流ちゃんありがとう。危機一髪だったけど、これ以上の大ごとにならなくて、よかったよ。先生が止めてくれなかったら、妖怪が暴走してた」  空子はそう言って、明日香と乙女を見た。  明日香は、涙を流してガタガタと震えている。よほど恐ろしかったのだろう。乙女が、背中を抱きしめていた。  レイアと神楽耶(かぐや)もサイバー組の2人を心配する。 「大丈夫でしたか? 怪我はないですか?」  声をかけるレイア。 「(ほか)(もん)は、逃げてもうた、みたいどすなぁ。おそらく大丈夫やろ」  周りを見ながら、神楽耶がため息をつく。  レイアと神楽耶の背後から声がした。 「田野(たの)明日香も網棚(あみたな)乙女も、今から生徒指導室だ。デバイスは預かるから、出しな。とんでもない事をしてくれたね」  野太(のぶと)い声の小柄な、中年女性が現れ、明日香と乙女からスマホを受け取った。さらに、レイアと神楽耶に向かって支持をする。 「逃げた奴らに『生徒指導室に来るように』と、言っといてくれないかい」 「はい……。先生」  レイアと神楽耶が、教室棟に向かう。 「増田(ますだ)先生、こっちはあたしが、事情を聞くから。その子たちはまかせたよ。その(あと)でこれからの事を話し合おう」 「分かりました。彼方(かなた)先生」  マスターが、ガラマジ組の5人に、女性教諭を紹介する。 「この方は、現代魔法科1年3組の担任で、彼方(かなた) (まつ) 先生だ」  それぞれ、頭を下げるガラマジ組。  彼方松教諭は、一人一人の顔をまじまじと見た。空子は、(いにしえ)の魔女から見られているような威圧を感じる。 「さて、お二人さん行くよ。あんたたちが、古典魔法科にかなうと思ってんのかね……」  明日香と乙女を(ともな)って、彼方 松 教諭は校舎に帰った。
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