Ⅵ 謹慎の空子

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「いえ、悪いのは僕です。僕は、城将(しろかど) 空子(くうこ)の魔法が見たかったんです。だから、(こと)が大きくなるまで、見ていたのは、僕のせいです」  マスターは、拳を握って生徒指導主事を見る。 「ああ、あれか……。伝説の聖杯(せいはい)体質と魔法ってやつか」 「はい! 城将空子は、本物です。今日それがハッキリとしました。彼女は来るべき敵の侵略に対して、必要な人間となります。そういう意味では、サイバー組の2人も同じです。彼女たちが退学というのなら、責任をとって僕が、学園を辞めます。ですから……退学は……」   「うむ。サイバー組の明日香と乙女も、今後の戦力だからな、今、退学になるのは……。分かりました、では、3組の田野明日香、網棚乙女は、停学1か月。その他の生徒は2週間。8組の蛇ノ目奈々は停学1週間。城将空子は、停学1週間。安田萌、深山綺羅愛は、担任からの指導ということで、生徒指導委員会と職員会議で(はか)ってみましょう。最後は、園長に裁定していただきます」  生徒指導主事は、ノートに処分案を書き込んだ。  会議をうけて園長は、半田(はんだ) (そう)生徒指導主事の案で処分するよう裁定を(くだ)した。  裁定が下り、マスターも彼方(かなた) (まつ)もそれぞれ、担任をしている生徒の家庭訪問をした。  城将家の門に立つマスター。ある決心をしていた。 「今日は、空子さんにも、歩美さんにも聞いてもらおう……」
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