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「ま、マジ……」
歩美の声もさらに小さくなる。
「マスター、そんなことを、私たちに話していいんですか?」
空子も声をひそめて聞いた。
「はい。君たちは、城将 空徒さんの家族だからね」
「お父さんの?」
「そう、空子さんのお父さんも、国家機密に関わる、大事な仕事しているんです」
空子の父は科学者で、現在この国を離れて、外国の天文台で研究をしている。
「え、お母さん本当?」
母親を見る。
「その話は、私も初めて聞いたよ。お父さんが、大事な研究をしていると、聞いてはいたけど、国家機密に関する事だなんてことは……知らなかったよ」
マスターを見た後、歩美は本棚のフォトスタンドを見た。3人が写っている。空徒は歯を見てせて笑っていた。
「桃薔薇魔法女学園の、現代魔法科設置を提案したのは、空徒さんなのです」
「魔法を使って何を護っているんですか? この国の機密情報ですか? セキュリティシステムだけじゃなく、魔法を使ってまで、護らなければならないものって、何なのですか!」
「そこに気づくなんて……。空子さんは賢い人だ。この機密情報は、学園内でも数名しか知らない内容です。もし漏洩したら、この国どころか地球の存亡に関わることなんです。IT技術だけでは、防ぎきれない相手なのです。そこで、魔法によるセキュリティシステムを構築しました。僕と空徒さんで」
「ち、地球の……存亡?」
歩美も事の大きさに声が震えてくる。
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