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プロローグ②人中の呂布(ジョナさんサイド)
山縣ジョアンナ昌子は、かつていじめられっ子だった。
付いたあだ名は「ブー子」。その由来はブタのようだったからとも有名なマンガに出てくる悪役の魔人の姿に似ていたからとも言われているが、決してブサイクのブーという意味ではない。
ただ、女の子にとってこのようなあだ名で呼ばれることは、とても悲しいことだったに違いない。
そしてある時、彼女は決心した。
「やせて、カワイくなる!」
あまり体格の出来てないうちから筋トレをするのは良くないとされているが、なぜか彼女のダイエットに最も効果があったのは、
筋トレだった。
毎日毎日、強迫観念にも似たものに突き動かされ「カワイく」なるために、ただひたすら鍛えた。
母と離婚した父が、元プロレスラーということもあり、父の家に行けばトレーニングの器具に困ることはなく、毎日会いに来てくれる娘のことを父はとても喜んでくれて、護身用に技もいろいろと教えてくれた。
そんなわけで、ジョアンナはダイエットに成功し、念願の「カワイイ」を手にしたのだった。
しかし、幸せは長くは続かなかった。
少しサボればすぐに元に戻ってしまう。・・・そう、リバウンドだ。
だから、手にした「カワイイ」を二度と手放さないように、彼女は今日も鍛え続ける。
そんな彼女にも新しい悩みができた。
力が、強すぎるのだ。
これは「カワイく」ない・・・。
あと、体重がさほど減ってない。体も、周りの子たちよりちょっと大きめだ。
という悩みだ。
だけど、中1にしては、ムネはボン、腰はキュ、おしりはボンで、シルエットだって健康的だ。少しばかり筋肉質かも知れないが・・・。
まぁ、まわりが日本人ばかりだから、少し目立ってるだけなんだと思う。
↑こちらが周りの人から見えている客観的山縣ジョアンナ昌子。
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