プロローグ②人中の呂布(ジョナさんサイド)

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 「おい小僧、じゃまだ、どけ」  「ああ、私の事じゃないな。」とすぐに思った。ちょっと大きいけど女と男を見間違えるなんてことはないと思う。・・・たぶん。 だが、次にかけられた言葉は聞き流せるものではなかった。  「聞こえねぇのか!このデクの坊!てめぇの事だよ」 (よりによってこんなカワイイ女の子に「小僧」とか「デクの坊」はなくない?)  なんだか無性に腹が立ったが、見てみると何だかコワそうな人達だったので穏便に済まそうと思い  「わたしですか?」みたいな、ちょっとブリっ子な態度で乗り切ることにした。  座ってる位置をちょっとずらして「どうぞ」というポーズをする。別に今までと同じ姿勢でも通れたはずだけど・・・。と不満に思うが口には出さないでいた。  それなのにその人は何が気に入らなかったのか、蟹股(がにまた)の大股で歩きだした。妙なムーブに面食らったが、その足の先にあるものに気が付いて、その人の狙いが何か分かってしまった。  (この人、わざわざ私が眺めていたアリさんたちを踏んで意地悪しようとしてるんだわ)  なんて子供じみた意地悪をするんだろう・・・。  正義感から考えるより早く手が出て、その人の足を掴んでいた。  (一寸の虫にも五分の魂という言葉があるでしょうに)
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