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戦うおばさま
地球防衛軍第3支部所属、キャサリン・コリンズ、27才。
半年前ようやく終結した対インベージ防衛戦において、歴代トップの撃墜数を叩きだした天才パイロット。
どんな危機的局面においても、常に冷静沈着。
ついた異名は”氷の撃墜女王”。
そんな彼女が珍しく、ちらちらと腕時計に目をやっている。
なぜなら今日は……。
「支部長、お先に失礼させていただきます」
「ああ、たしか姪御さんの誕生日会だったな」
「はい」
そう、今日は可愛い姪っ子、メリッサの誕生日。
今夜は姉の家を訪ねて、誕生日会に参加する予定なのだ。
ちなみに、インベージ星人が地球に侵攻してきて以来、実に5年半ぶりの再会になる。
「ずいぶん久しぶりなんだろう?楽しんで……」
その時だった。
ビビーッ!!
非常事態を知らせるブザー音に続いて、偵察艇からの通信が入る。
『至急!月航路上に突如、インベージの高速戦闘艇が多数出現!出撃願います!』
「……すまん。行けるか?」
落胆を表情にだすことなく、彼女は頷いた。
「もちろんです」
支部長は、館内放送のマイクを握る。
『総員、第一種警戒配置!本艦はこれより月航路に向かう!』
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