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「最悪」
「ち、違うんだよ!!俺、本当に浮気なんてしないっ!」
「言い訳聞きたくないんだけど?」
「本当に何かの間違いなんだよ!!」
高2から付き合って3年、初体験も捧げた彼から待ってたのは手酷い裏切りだった。
見知らぬ女とベッドに入ってる写真を、どう間違えたのか私のラインに送りつけてきたのは先週の日曜。
所用があって大学に寄った帰り道、速攻ブロックした彼氏が待ち伏せていた。
「なぁ、雪穂!信じてくれよ、マジで俺、身に覚えないって」
自分で証拠を送ってきておいて何を今更。
「海斗、今までありがとう。終わり方最悪だけど、この3年に免じて恨まないでおくよ」
「誤解なんだって!!待て、待てよ!」
呼び止める声を無視してキャンパスから立ち去る。
周りには野次馬がちらほらいて、見慣れた顔も居たからすぐに噂になるだろう。
誠実さが取り柄の彼だった。
面白みには欠けても、このまま結婚してもいいんじゃないか、そう思えるほど優しかった。
恋の終わりってこんなに一瞬なんだ、と深い溜息を吐く。裏切るやつに何の未練もないが、過ごした年月を思うと一抹の寂しさは拭えない。
『修羅場ヤバすぎww草生えるwww』
早速動画付きでグループラインに投下してきたのは悪友の1人。
『ゆいヤメロ。ふざけんな』
『えwwやばww』
『とうとう姫が独り身に!万歳』
『後で雪穂んち集合』
『お酒たっぷり持ってくわ』
『無理無理無理、今日は本当に無理』
慌ただしく通知がくるメッセージを返しながら、このあと待っている事を思い出して憂鬱になる。
『今日実家帰るから明日にして』
実家、という文字に更に気持ちが沈んだ。
本当に、なんて日だ。
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