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* 事件発覚から一週間と数日が経った。 美鳥のお見舞いか事件を調べているのだろう。 ハカセは、大学へ来なくなった。 どこから話が漏れたのか大学でも噂が流れ始めた。 「内村美鳥の話知ってる?」 「知ってる知ってる!まじやばいよね!!SMクラブって!女王様かよ、笑える」 「学校でもめっちゃ男漁ってたじゃん?自業自得っていうか。やっぱ見た目は裏切んないわ〜」 「ほんとうちの大学の品位下げないで欲しいよね」 「ちょっと!!!!」 何かの授業が同じなのか見覚えがある顔だ。 「あんた達勝手な事言わないでよ!!」 飛びかかる勢いで腕を伸ばしたら、その腕を楓に止められ、私と相手達の間に湯井が立ちはだかった。 相手の女子達はキャア、と小さく悲鳴をあげたものの口元の笑みが隠せていない。 「雪穂やめろ」 「邪魔しないでよっ」 女子達は私の顔を確認すると「え、こわ」とヒソヒソと笑った。 「でもさ、久遠さんだって正直清々してない?」 「は?何言ってんの?」 尚も襲い掛かりそうな私は湯井達に止められて自由が利かない。 肩からずり落ちたトートバックが砂塵を舞わせて地面に転がった。 「だって、内村さんってハルくんにも手出そうとしてたでしょ?」 ハルくん狙うなんて有り得な〜い、と女子達は顔を見合わせてわざとらしく眉を顰めた。 「っ!!そんな事してない!私が勝手に紹介しただけなんだから!」 よく知りもしない人に好き勝手言われるなんて耐えれなかった。 あまりの悔しさに両目から涙が溢れ出てくると、女の子達は興が醒めたように「もう行こ、」と二人揃って歩調を早めて去っていく。 これ以上美鳥を傷つけないで欲しかった。
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