来年、世界は終わるらしい

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学校もその話題で持ち切りだった。 その予言によって、 クラスはふたつに割れる。 「予言なんて、馬鹿らしいだろ! そんなの信じるとか幼稚だなお前ら。」 「じゃあ、 本当じゃない根拠はあるっていうの? ニュースで大きく報道されてんのよ!?」 ヒステリックを起こした女子が 男子に掴みかかるのを横目に1人、 窓際の席に座った。 こういう争いには巻き込まれたくない。 「ねえ、田辺さんはどう思う?」 「んへ……?うーんと……」 そう思った矢先に声をかけられ、 何も言えなかった。 視線が集まるのを感じる。 「ないって断言も出来ないとは思うよ。 さっき、 言ってたようにテレビに出てるからね。 全くのデマとは 言いきれないんじゃないかな。」 女子がふふんっと鼻を鳴らした。 男子の眉がぴくっと動く。 「ただ、 ノストラダムスの大予言みたいに 外れるかもね。」 今度は男子が鼻を鳴らした。 女子に顔をしかめられた。 私はこの世界が嫌いだ。 自己主張をしただけ。 人と少し違うだけで睨まれる。 多様性だとかいうけど、 結局嘘っぱちじゃないか、 なんて思ってしまう。 さっきなんて、拒否権が全くなかった。 嫌だなぁ。 ざわめきから目を背けて、机に突っ伏した。
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