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関西より笑いを込めて
──グレン起きなさい……モグレン起きなさい……
不思議な声に瞼が自然と開いていく。
「まだ早いんちゃう?もう少し寝よ……」
布団を被り直す手を誰かがピシャリと叩いた。
──モグレン、二度寝は許しませんよ。今日は何の日だと思っているのです!貴方の旅立ちの日だというのに。
「あ……しまった!今日はおせち料理を作る日だった……」
──そうです。毎年、嫌だの面倒だの買えばいいだのと文句タラタラ。たかだか知れてるモグレンのおせち料理を、楽しみに待っている親族達がいるというのに……とっとと起きて旅立ちなさい、おせち料理作りに。
「ゲッ……今年はぎっくり腰にやられて──」
──ぎっくり腰?慣れているでしょうモグレンは。仕方ありませんね、貴女に称号を与えてあげましょう。それならばやる気も出るというもの。
『貴方の称号は業者、業者よ、早く旅立ちなさい』
こうして業者モグレンは、年末恒例おせち料理クエストに取り掛かった。
おせち料理作りはまだいい。作り終わった後の年越し宴会の料理がラスボスなのだ。
モグレンの武器は、手に馴染んだ家庭用万能包丁(ステンレス仕様でなかなかよき)一本。
雑魚キャラ『ごまめ』『紅白なます』をぶった斬って(美味しく調理)いく。
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