お嬢と執事の出会い

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焦るな俺、慌てるな俺。ここで取り乱したらプロの泥棒失格だ。ここは冷静に迅速に丁寧に対処。 「お嬢のご自宅はお金持ちですからね。旅行は旅行でも庶民の旅行とはわけが違うでしょう?ですから旅行で使われる額も庶民とは違われるんだろうなぁと思っただけです」 「あらそう。私は一瞬てっきりキャリーバッグの中身をご存知なのかと思ってしまいましたわ」 「あはは、そんなわけないでしょう」 「そうですわよね、見てないものね」 「そうですよ」 「でもそれならいったい何処にいったのかしら、シルバーのキャリーバッグ」 「奥様のお部屋にあるんじゃないですか?」 「どうしてシルバーだって分かるの?」 「え?」 「私はずっとキャリーバッグとしか言ってなかったでしょう?突然シルバーって言い出したのに『キャリーバッグって銀色なんですか?』って聞き返さないのね」 「バックに興味ないからです」 「ふ〜ん?(今の質問はちょっと失敗だったわね…私とした事が…」 ふんっ、甘いんだよ馬鹿女が。つうかどうせ金有り余ってんだからキャリーバッグ1つ分の大金が消えたくらいでいつまでもしつこく探し回ってんじゃねぇよ糞が。
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