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「(…あら、大変。こいつに白状させてやろうとしてたのにバイオリンのお稽古の時間が迫ってきてしまったわ。仕方ないですわね、こいつに謝らせるのはまた今度にしてそろそろ切り上げましょう…)…お母様が旅行で使いきれなかったら今月の給料に上乗せしてお年玉としてクールガイに全額まるまるあげると言っていたのに残念だったわね、クールガイ」
なぬ?
「あぁそうそう、キャリーバッグの中の分だけじゃなくて余分に持って行った財布の中身も全部クールガイにお年玉としてあげようと思ってたって言っていたわ」
なな、なぬ?
「はぁ…、でもキャリーバッグが見つからないんじゃ お母様の旅行も中止ね。と言う事はクールガイのお年玉も無しって事になりますわね」
なななな、なぬっ!?
「残念でしたわね、クールガイ♡」
ぽんっと叩かれた肩がやけに冷んやりした。
「では私バイオリンのお稽古がありますから行って来るわね。身を粉にして働きなさい、クールガイ…」
オーホッホッホッホッ!!と高笑いしながら部屋を後にするお嬢の勝ち誇ったような声を聞いていたら 手に持っていた新聞紙に包まった薔薇がボキッと折れた音がした。
ちっ…くそっ…
こんな事になるなら…「盗まなきゃ良かったーーーっ!!!」
一方その頃 大森家SPに追われていたきゅっぴーは泣きながら「助けてくれー!」と車を運転していた。
おわり。
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