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「何て晴れやかな1日なんだ…!」
お嬢の執事として大森家で住み込みで働く事になってからしばらくの間自由に泥棒出来なくて鬱憤が溜まっていたから久しぶりに盗みが出来たおかげで今とっても気分が良い。
窓から見える海がほらダイヤモンドのように煌びやかに輝いて見えるぜ…!
ちなみにさっきの金は全部親父の親友の次元に預けたからもう手元にない。
※次元→別名・きゅっぴー。
るんるん鼻歌を歌いながらお嬢の部屋の花瓶の水換えをしていたら「ちょっと良いかしらクールガイ」とお嬢がやって来た。
いつもこの顔を見るとはらわたが煮えくり返りそうになるが何だか今日はこんな女の顔もちょっと可愛く見えてくるじゃないか。泥棒業最高っ!
「はいはい何すかセニョリータ」
「ニョっ!?」
「あはは、やだなお嬢。にょんにょんって鳴くのはあさりちゃん家のペットだけですよ〜!ところで俺に何か用ですか?」
「(…なんだかやけににこにこしてるわね、気持ちが悪いわ…)…あ〜、ゴホンっ。廊下にあったキャリーバッグが見当たらないんだけど何かご存知ないかしら?」
「ねぇです」
「(ねぇです?表情はいつも通りだけど目がそっぽ向いてるわ…これ何か知ってるわね)…本当にご存知なくて?」
「YESっ!」
「(間違いないわ。こいつキャリーバッグについて知ってるわ。だってこいつが自分から素直にYESなんて言うはずないもの。と言うか今まで一度も自分からYESなんて言った事ないもの!……ふっ、ふふっ……そう…この私に嘘をつくなんて良い度胸してるじゃないの…。貴方が知らん顔し続けるならこちらはそれを崩してみせるわ!オーホッホッホッホッ!!)」
「……何っスか?」
俺の顔を笑いながら睨んでるけど何考えてんだ この人?気持ち悪ぃな。………はっ!もしかしてキャリーバッグを盗んだってバレてんのか!?
※横山は勘が鋭い。
ふっ、だが焦る事ぁない。何故ならさっき言ったとおり とっくの遠ちゃんにキャリーバッグはきゅっぴーに渡してあり もうこの家にキャリーバッグは無いからな!馬鹿めっ、探せるもんなら探してみろってんだ、ふはははははっ!
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