④ウエノショウコの話(ヨシタカ、ナオ)

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シラカワナオは、「もう始業時間になるから行くね。」 そう言って、副社長の前から立ち去ろうとした。 「待って、ナオさん。」 副社長は、立ち去ろうと後ろに向いて歩きだした、 シラカワナオの右手を掴むと、 彼女を正面を向かせ、抱きしめた。 少しでも、身体が密着するように、 副社長の左手は、シラカワナオの背中まで回っている。 どうして、副社長から、抱きしめる事になるのだ? おかしいと思う。 「離して。」と、シラカワナオは、密着状態から逃げようと、 左手で副社長の肩を押している。 でも、右手は、背中に回された、 副社長の左手に抑えるこまれていて、動かせず、 副社長は、さらに密着しようと、 今度は、右手で、シラカワナオの腰を、自分に引き寄せようとしていた。 肩を叩いていた、シラカワナオの左手も、抑え込まれ、 彼女は、完全に動けない状態になる。 これは、いったいどういう行動なのだ? 副社長を、気になっている私は、すぐには、理解出来なかった。 「ナオさん。ごめん。」と、 副社長が、そのまま抱きしめたまま、謝っている。 目を閉じ、シラカワナオに、懇願するように、 「本当に、ごめん。」と、再度、謝った。 「もう、分かったから、離せ。」と、 シラカワナオは、命令口調で、言いなおしてきた。 副社長に対して、命令口調は、おかしいだろ? でも、それは、副社長の次の行動を、予測していた事なのかもしれない。
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