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シラカワナオは、「もう始業時間になるから行くね。」
そう言って、副社長の前から立ち去ろうとした。
「待って、ナオさん。」
副社長は、立ち去ろうと後ろに向いて歩きだした、
シラカワナオの右手を掴むと、
彼女を正面を向かせ、抱きしめた。
少しでも、身体が密着するように、
副社長の左手は、シラカワナオの背中まで回っている。
どうして、副社長から、抱きしめる事になるのだ?
おかしいと思う。
「離して。」と、シラカワナオは、密着状態から逃げようと、
左手で副社長の肩を押している。
でも、右手は、背中に回された、
副社長の左手に抑えるこまれていて、動かせず、
副社長は、さらに密着しようと、
今度は、右手で、シラカワナオの腰を、自分に引き寄せようとしていた。
肩を叩いていた、シラカワナオの左手も、抑え込まれ、
彼女は、完全に動けない状態になる。
これは、いったいどういう行動なのだ?
副社長を、気になっている私は、すぐには、理解出来なかった。
「ナオさん。ごめん。」と、
副社長が、そのまま抱きしめたまま、謝っている。
目を閉じ、シラカワナオに、懇願するように、
「本当に、ごめん。」と、再度、謝った。
「もう、分かったから、離せ。」と、
シラカワナオは、命令口調で、言いなおしてきた。
副社長に対して、命令口調は、おかしいだろ?
でも、それは、副社長の次の行動を、予測していた事なのかもしれない。
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