④ウエノショウコの話(ヨシタカ、ナオ)

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「ナオさん。」と、クロキ副社長が、中腰になりながら、 シラカワナオを呼ぶ。 「もう、こうするしか、方法が無かったから。」と、 シラカワナオは、答えた。 何をされたのか、一瞬で、分からなかった。 「もう、行くから、二度とこんな事させないで。」と言い、 シラカワナオは、こちらの秘書課の扉に近づいて来た。 こっちへ来るの? 慌てて、その場から離れる。 すぐに、シラカワナオは、この部屋に入って来て、 「初めまして、本日付けで、秘書課に配属されました、 シラカワナオと申します。よろしくお願いします。」と、 平然と、いつもの仕事の笑顔で、 私に頭を下げた。 さっきまで、とんでもないキスをされていたとは、とても思えない。 こういう事は、日常茶飯事なのか?と思ってしまう。 でも、私も出来るだけ、普通の顔を装い、 「秘書課のリーダーのウエノショウコです。よろしくお願いします。」と、言った。 心の中では、複雑な心情であった。
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