④ウエノショウコの話(ヨシタカ、ナオ)

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シラカワナオは、 「すいません、今、こちらに異動と聞いたもので、 必要そうなものだけ、とりあえず、持って来ます。 私のデスクがあれば、教えて頂きたいのですが・・・」と、 冷静な判断をして来た。 私は、その反対で、複雑な心情だったため、慌てるように、 「こちらです。」と、デスクを教えてしまった。 「ありがとうございます。すぐに取りに行って戻ってきます。」と、 シラカワナオは、いつものあの笑顔で言い、秘書課から去っていった。 私は、シラカワナオが、立ち去った後、力が抜けるように、自分の席に座る。 でも、すぐに立ち上がり、 クロキ副社長を、ブラインドの隙間から、再び見た。 クロキ副社長も、近くのソファに座り、 私と同じように、力が抜けたように、頭を天井に向けていた。 シラカワナオ、考えれば、考えるほど嫌なヤツだ。 こんなにまで、クロキ副社長を虜にするなんて。 クロキ副社長の力が抜けた姿を見ながら思った。 決して、私は許さない。 徹底的に、シラカワナオを潰そうと思った。 シラカワナオが、あの強気な態度から、弱々しい態度を見せれば、 クロキ副社長も、目が覚めるだろう。 シラカワナオが、クロキ副社長に、縋り付き、泣き付くように、 持っていこう。 こうして、私から、シラカワナオへの嫌がらせが、始まった。 クロキ副社長も、厳しく頼むと言っていたし、 しばらくは、分からないだろう。 私は、ずっと、そう思っていた。 完
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