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「……言い訳、聞いてあげる」 本当はそんな上から目線に思ってはいないけれど、半年分の私の不安をぶつけるくらいいいだろう。 「ごめん。本当に。……ずっと、バイトしてた。お金貯めたくて」 「私よりお金の方が大事だもんね。当然だよ」 「違うんだって!」 私の嫌味を葉は慌てて否定した。 「渡したいものがあったんだ。立花に。だからお金を貯めたくて。バイト詰め込んでた。最初は本当に連絡する暇なくて。日が開くうちにどんどん今連絡したら会いに行きたくなるって思って……」 「半年も?」 「……そのうち、何言えばいいのか分からなくなった」 葉は気まずそうに視線を落とす。 私はジッと葉を見る。 葉は視線を彷徨わせ、落ち着かなさそうに私に目を戻した。 「ほかに言いたいことは?」 「……渡したいものがあるんだけど、まだお金に余裕がでなくて。もう少し待って欲しい。今度はあんなに長く連絡放置しないから」 「渡したいものによる」 「……大学卒業しても実家に帰りたくなくて、家借りるお金貯めてた。今のところは大学にいる間だけ住める場所だから。それで、新しい家に引っ越せるようになったら、合鍵、渡したい」 葉は時々私から視線を外しながらも、私の反応を伺うようにチラチラと視線を戻してくる。 合鍵を渡したいって、どういうことだろう。 いつでも家に来ていいということだろうか。それとも……。 「立花と一緒に住みたい」
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