3人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
ーー
「……今日もない」
私はスマホのトーク画面を開いたまま、大きなため息を吐いた。
このトーク画面にメッセージを送っても、いつまで経っても返事が来ないどころか既読すらつかない。
画面を見つめていても既読が付くわけではないと分かってはいるが、画面から目を離すことができないでいた。
私ばかりが送っているメッセージを遡る。
最後に彼から返事が来たのは半年前。
私が送った『今度いつ会える?』というメッセージに対して、『しばらく忙しいから、また連絡するわ』とコメントが来たのが最後で、その後からは既読がついていない。
しばらく忙しいって何だろう。
私の中で不安感が大きく膨れ上がった。
高校で葉と出会って、2年の時に付き合った。その頃はこんなに不安になる日が来るなんて思ってもいなかった。
大学が別々になると分かった時も、ここまで不安にはならなかった。私には葉がいて、彼には私がいる。
でも、もしかしたら……。
「思い上がりだったかな……」
私は自分の足を抱き寄せて膝に顔を埋める。手探りでスマホの画面を消した。
最初のコメントを投稿しよう!