第3章 濃厚甘酸っぱい想い出ベリーティラミス

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様々なことがクリアにはなった気がする。 あかりは帰宅した後、自分の情報と照らし合わせて考えた。 常務が作成した脅迫状をスバルくんが見つけたのが始まり。 その後、常務が電話で話すのを聞いた。 社長に脅迫状を送り、社長室に盗聴器を仕掛けたのだと。 どうやら常務は社長の座を奪おうとしている。 電話の相手の言う通りに行動すれば、その野望は叶うらしい。 スバルくんは常務に気づかれないように、それを阻止しようとした。 脅迫状を使って事件の情報を知らせたのだ。 その頃、会社では元専務谷口さんの不正が発覚している。 谷口さんが辞職し、連城さんが専務になったけど。 だからといって、連城さんが次期社長になるというわけではないと思う。 順番からすると、次期社長は常務…。 少なくとも常務はそう思ったんじゃないかな。 それで事態は一旦おさまった。 ところが、再び常務に電話があった。 話を聞く限り、その相手が真犯人、社長を殺そうと計画する人物のようだ。 常務も社長殺害に関係しているのをスバルくんは恐れた。 それでまた脅迫状を出したのだ。 今度は『社長を殺す』というストレートな警告で。 昨日、実際にその真犯人は社長を襲ったけど、運良く骨折で済んで…。 そうか、3回目の脅迫状が届いて、連城が社長の警護を依頼した。 犯人に襲われた時、社長は守られていたはず。 だから軽症で済んだのかも。 その証拠に、警護の人が病室をうろうろしていた。 連城さんには後でちゃんと知らせなきゃ。 でもその前に、社長に会ってこのことを伝えよう。 会ってケガをした本当の理由を確かめたいし。 でもどうやって―? 次はどうやって社長に会えばいいかな…。
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