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第1話 転生王子
もう初夏といえる良く晴れた日の昼過ぎ、いつもなら部屋で昼寝をしている時間であるが、俺は汗ばむ額を手で拭いながら渋々王宮の裏にある宝物庫に向かっていた。
「あれ、セイヤ殿下じゃないですか。どうしたんですかこんな所まで?」
宝物庫の警備をしている若い兵士が俺を見つけ親しげに声をかけてきた。
そう、俺の名前は、セイヤ S シリウス、セレスト皇国の第三王子だ。
「いやー、父上に怒られてね『部屋に引き篭ってないで少しは働け』って」
俺は兵士に近付きながら、左手で頭をかきながら右手を軽く上げ返事をする。
「ははははは。それはサバラ国王陛下のおっしゃるとおりですね。アベル殿下もダレス殿下も立派に働いていらっしゃいますよ。セイヤ殿下も成人したのですから、少しは働いてくださいよ」
兵士は笑いながら、誰もが思っている苦言を呈してきた。
ちなみにアベルが長兄で第一王子、ダレスが次兄で第二王子である。どちらも誰からも尊敬される立派な兄たちだ。
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