オークション

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 オークションが終わり、私は高額商品として 丁重に扱われ、座敷牢から高級な調度品が並ぶ部屋に通され、椅子に座るように命じられた。  逃げないようにか、手首には手錠がかけられている。  それが美しい部屋と美しい着物に似つかわしくなく異様な雰囲気を醸し出していた。 「お前の買主が来るまでここで待て」  屈強な用心棒が私をソファに無理矢理座らせる。  ふかふかのソファは生まれて初めての座り心地でとても気持ちよかった。
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