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また、発見当時の勝也は庭にいた時のままの服装で汚れもなく、疲労や空腹を訴える事もなく、まったくの無傷で本当に五日前からタイムスリップしてきたようだった。
夏休み中、祖父宅に滞在する予定だったが母が嫌がったため、急遽東京に戻る事になった。別れ際の祖父母はとても寂しそうで、大好きな祖父母にそんな思いをさせている、それは自分のせいだと思うと勝也は悲しくなった。
「おじいちゃん、おばあちゃん。ぼくのせいで楽しい夏休みじゃなくなっちゃった。ごめんなさい」
「……あんたのせいやあらしまへん、かっちゃん、あやまらんでええよ」
祖母が勝也の手を優しく握ってくれた。勝也は泣きそうなる。
「ぼく、悪い子だからさらわれて山に捨てられたのかな?」
「勝也はええこや、じいちゃんとばあちゃんの大事な孫や、悪い子のわけがない」
祖父が勝也の頭を撫でてくれる。
「……ほんとに?」
「ほんまや。勝也は賢くて優しい子やから鞍馬の天狗はんが一緒に遊びたかったのかもしれんな」
「天狗さん?」
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