常務秘書、野々村の秘密

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「ゆうにい、ちょっと教えて」  スマホをいじっていた国立大学の理学部に通うの兄の隣に座った。 「ん?勝也、なに?」 「これ、なんて書いてあるの?」  ロシア語のホームページを兄に見せた。 「え?これ、ロシア語だよな、ロシア語は分かんないなあ、ネットの翻訳使ってみたら?」 「そっか、ロシア語か、それじゃわかんないよね……中国語は分かる?」 「中国語も分かんないなあ、俺が分かるのは日本語と英語ちょっとだけ」  そう言って兄は照れ臭そうに笑った。同じく姉にも聞いてみる。姉は九月からイギリスの大学への留学が決まっている。 「はなちゃんは英語以外に何語わかるの?」 「スペイン語は得意よ、あとフランス語、ドイツ語は何とか旅行ができる程度は話せるけど、アジア語圏はお手上げだね。かっちゃんも海外に留学したいとか思ってるの?」 「……う、うん。そうだね……ちょっと興味あるかな」 「いいと思う!絶対行きなよ。でも、まずは英語が話せるようにならないとね」
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