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80才の今日まで毎朝夕のお勤めは欠かしたことはなく、質素な食事と規則正しい生活を送り、病気知らずの人だった。勝也の父が、あの人は間違いなく100才まで生きる、と言っていた矢先、祖父が倒れたとの連絡が入ったのだった。
鞍馬の設楽さんとこに花見に行ってくるわ、と言って午前中出かけた祖父は夕方になっても戻らず、心配した叔父が設楽氏に連絡を取った。
「一緒に昼を食べて、十四時くらいに出られましたわ」
「その後どこかに寄ると言っていませんでしたか?」
「いいや、ああ、でもしきりに勝也くんの心配をしとったな。もしかして……」
「何か心あたりが?」
「山を越えて貴船に向かったのかもしれん」
「え?さすがに父でももうあの山はきついと思いますが……」
「……勝也くんや」
「勝也?どういう意味です?」
「勝也くんの事をお願いしに行かれたんや」
「貴船神社にですか?」
「いや、お山の主はんにや」
「どういう……」
「とにかく、うちの者を山の中へ見に行かせるわ、あんたは警察に連絡して野々村はん探してもろて」
「わかりました」
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