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「きみ、一人でどうしたの?お父さんとお母さんはお手伝い?」
勝也が声をかけると、男の子は黙って勝也に近付いてきた。
「勝也、やっと見つけた。迎えに来たよ、また遊ぼう」
そう言って、男の子が手を差し出した。何となく、後ずさる勝也。
「迎えにってどこから?君だれ?」
「ヒタキだよ、忘れちゃったの?一緒に遊んだじゃない。クマタカもオオルリも君のこと待ってるよ」
「遊んだ?君と?いつ?」
「この間」
「……この間?」
「すごく楽しかったよね。勝也もまた来たいって言ってたじゃない。だから迎えに来たんだ」
ヒタキと名乗った子供は無邪気な笑顔を向けて来るが、それが逆に恐ろしく感じる勝也。
「ねえ、早く」
「いやだ、行かない。君の事なんか知らない」
「えー?ぼくの事忘れちゃったの?」
知らない、と言いながらさらに後ずさる勝也。
「あ、そうか、あっちとこっちでは時間の流れが違うって兄様が言ってた。勝也も見た目が少し大きくなってるね」
この子供は一体何を言っているんだろう?
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