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同窓会
同窓会は大規模なものだった。1学年まるごと、ホテルの宴会場に集まっている。クラスごとにテーブルが分けられているけど、3年間を共に過ごした仲間たちはあちこち立ち話をして、昔話に花を咲かせている。
「浩子ちゃんだよね? 久しぶり!」
「えー野田さん髪切ったんだ、高校の時ずっと長かったよね」
「今は何の仕事しているの?」
旧友たちから声をかけられ、私は次々と答えていく。
「わぁ! 久しぶり」
「そうそう、バッサリいっちゃった。軽くていいよー」
「今は普通の会社員だよー」
明るく答えて、ちら、と名札に目をやり、記憶の中の同級生の顔と答え合わせをしていく。
だんだん慣れてきて、すれ違ったり、別なテーブルに座っている子も、「ああ、あの子だな」とわかるようになった。
(ええ、隣のテーブルの子、名札からして上野さんみたいだけど、あんなに大人しかったのにギャル風になってる……。というか、皆全体的にあか抜けてて……綺麗になったな)
男性陣も、わずかに面影があるくらいで、「大人の男」になっている。先生はお元気そう。白髪が増えて月日の流れを感じさせる。
一度、トイレに中座した。洗面台で手を洗う間、改めて自分の顔をまじまじと見た。
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