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そして、更にモールス信号を解読していった。もう一度、全て繋げてみた。
「さ」
「い」
「ご」
「に」
「あ」
「い」
「た」
「か」
「つ」
「た」
「最後に会いたかった…?もしかして」
龍慈はまるで吸い込まれるように、記憶の渦に入り込んでいった。
南は幼稚園生から同級生で、中学生に進級するまでずっと遊んでいた。本当に仲が良くて、毎日が幸せに満ち溢れていた。
「りゅうちゃん、これあげる」
「なにこれ」
「可愛いでしょ!木を彫って作った鳥なんだよ」
僕はその鳥に釘付けになっていた。しかし、これが形見となる。
鈍い轟音と共に南を巻き込んで、車が爆裂した。彼女は思い出に浸るまもなく、永い眠りについた。涙が、目を打撃するかのように溢れ出てきた。
「南…?」
いつの間にか、龍慈は深い眠りについていた。南の温もりを感じながら。
***
次の日電車に乗ったが、彼女は居なくなっていた。
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