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「ほら、着いたぞ。鍵は?」
僕は鞄から鍵を手探りで取り出した。
しかし、鍵穴に入らない。
視界がぼやける。
「貸してみろ。」
「せんぱぁーい、ありがとうございます。」
「あああ、靴脱げ。」
「脱いだぁ~」
「これだから酔っ払いは。ベッド行くぞ。」
「はぁーい。」
御手洗先輩が僕の家に居る。
奇跡だ。
「よっと、スーツ脱がないと皺になるぞ。」
「脱がせてください。」
「断る。」
ああ、御手洗先輩が帰ってしまう。
そう思った時、身体が勝手に動いた。
気がついたら先輩をベッドに押し倒していた。
あまりにも至近距離で先輩を見たので、酔いもすっかり覚めた。
そして、僕は現実に引き戻された。
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