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試される夜
未だに信じられない。
僕の家のベッドで、御手洗先輩と一緒に眠る日が来るなんて。
しかも、先輩を抱き締めているなんて。
事は数時間前に遡る。
──────────
「分かりました。今夜、僕はあなたに指一本触れません。」
「南雲、何言ってるんだ?」
御手洗は額を僕にくっつけた。
「先輩、近いです/」
「んはっ、顔真っ赤。」
御手洗は笑みを浮かべながら、僕の額にキスをした。
「御手洗先輩//」
「俺がお前に触れないとは言ってない。」
完全に御手洗に遊ばれている。
だが、僕は本気だ。
「先輩が何をしようと僕はあなたを抱きません。」
「ふーん。」
「だから、先輩を抱き締めて眠ってもいいですか?」
「なんで?」
「口説いてるんです。」
「へぇ。できるの?」
「はい。」
僕は御手洗先輩を後ろから優しく抱き締めた。
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