嫉妬、のち、キス

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「あ、言い忘れたけど、今日の会議には南雲も出席して。」 「いいんですか?」 「ああ。俺は教える事が得意じゃない。だから、俺の仕事を見て覚えろ。分からないことは聞いてくれ。」 「はい!ありがとうございます!」 僕は御手洗に頭を下げた。 「それと、お前のせいで周りの視線が……」 「てっきり気にしてないのかと。」 「気にしたくなくても、気になる。」 「御手洗先輩は、相変わらずモテますね。」 「嬉しくない。」 「へぇ。どうだか。」 僕は何を言っているんだ。 さっき、仕事に集中すると決めたばかりだろ。 御手洗のことになると、僕は冷静でいられなくなる。 「僕は会議の準備がありますので。」 これ以上、みっともない姿を御手洗に見られまいと、僕は逃げるように会議室へと向かった。
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