2度目の夜

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2度目の夜

早速、僕はキッチンに立ち、夕飯の支度を始めた。 御手洗はリビングのソファーでくつろぎながら、テレビを観ている。 「省吾さん、ビール飲みますか?」 「もらおうかな。」 御手洗は立ち上がり、キッチンへやってきた。 僕は冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、御手洗に手渡した。 「ありがと。おお!美味そうだな。」 すると、揚げたての唐揚げをひとつ御手洗が手でつまんで食べた。 「あつっ。」 「揚げたてですから。」 「美味い。ビールに合いそう。」 「良かった。もうすぐできますので。」 「ん。俺、何か手伝おうか?」 「それじゃあ、ボールに入ってるサラダを盛り付けてくれますか?」 「りょーかい。」 御手洗は、僕が用意した食器にセンス良く、サラダを盛り付けていく。 キッチンに御手洗と立てていることに感動している僕は、御手洗の 様子を凝視した。 「おい、こっち見てると焦げるぞ。」 「あ!」 僕は慌てて唐揚げを鍋から取り出した。 「美味しく出来ました。」 「それはよかった。腹減ったわ。」 僕と御手洗は料理をリビングのテーブルに運んだ。 「ん!美味い!!」 「省吾さん、急がなくてもまだ沢山ありますから。」 「だって、美味いからさ。美味しい夕飯が食べれるって言ったことは伊達じゃなかったな。」 「でしょ?僕、料理には結構自信あるんです。」 まずは、あなたの胃袋から掴もうかな。 僕は美味しそうに食べる御手洗を微笑みながら眺めた。
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