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秘めた想い Side:省吾
俺としたことが。
南雲に流されて、言うつもりのなかったことを言ってしまった。
時、既に遅し。
たった二文字、されど二文字。
俺の中に秘めていた想いが、とうとう溢れてしまった。
始まりは10年前。
高校時代、俺は不良グループの中心だった。
その生活に嫌気がさした頃、俺は偶然、南雲に出会った。
南雲の第一印象は、冴えない奴。
だけど、なぜか俺はその日から南雲を目で追うようになった。
話しかける機会は何度もあった。
なのに、俺はそれが出来なかった。
その日以来、言葉を交わすことなく俺は高校を卒業した。
そして、俺は大学生になった。
不良仲間も居ない大学に入学した俺は、平穏な日々を送るうちに、南雲のことも忘れていた。
しかし、運命の悪戯なのか、南雲が俺と同じ大学に入学してきたのだ。
再び俺の中の淡い記憶が甦った。
だが、相手は男。
所詮届くことのない想い。
俺は「好き」という二文字を胸にしまい込んだ。
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