あなたに触れる

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「はぁ...お前、激しすぎ//」 「僕はまだ足りません。」 「でももう無理/腰が動かねぇ。」 僕と御手洗は汗だくのまま抱き合った。 「僕は夢をみているのでしょうか?」 「現実だよ。」 そういうと、御手洗は僕の頬を軽くつねった。 「いたっ。ほんとだ。」 「だろ?」 「はい。」 僕は御手洗をじっと見つめた。 すると、僕の視線に気づいた御手洗が問いかけた。 「なんだよ。じっと見て。」 「好きって言ってくれなかった。」 「ああ……」 御手洗の歯切れのわるい返事は僕を不安にさせた。 本当に御手洗は、僕のことが好きなのだろうか? 一時の感情に流されただけなのではないか? 「まぁ、そのうちな。」 御手洗にはぐらかされた僕は起き上がった。 「どこ行くんだ?」 「煙草吸ってきます。」 「あとでいいだろ。」 御手洗はベッドから出ようとする僕の腕を掴んだ。 「ここにいろよ。」 御手洗の瞳に見つめられると、僕は抗えない。 そして、彼に従うしかなくなる。 「はい。」 「いい子。」 そういうと、御手洗は僕の髪を優しく撫でた。 「昔もそうしてくれましたよね。」 「え…?」 しまった。 僕は何を言っているんだ。 高校時代の冴えない僕のことなんて、御手洗が覚えているはずないのに。 「昔って、俺の事覚えてるのか?」 御手洗は起き上がり、僕に問い詰めた。 隠し通せないと悟った僕は、御手洗と向き合い、重い口を開けた。
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