暴かれる過去の僕

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暴かれる過去の僕

「省吾さんは、僕の初恋なんです。」 僕は御手洗を見つめながら告げた。 「高校1年の時、初めて省吾さんに会いました。」 「うん。」 「その時、あなたは僕の髪を撫でてくれた。」 「うん。」 「それだけです。」 「はぁ?それと初恋とどういう関係があるんだよ。」 「わかりません。だけど、その日から僕の世界は変わった。省吾さんを毎日目で追うようになって、あなたが手の届かない存在だと知って、絶望もした。でも、それならば、あなたの隣に立てる男になろうと決めて、やっとここまで来れた。僕はあなたへの恋に人生をかけたんです。」 僕は10年間の想いを御手洗にぶつけた。 僕の重すぎる愛は御手洗にとって迷惑かもしれない。 だけど、知って欲しかった。 僕以上に、御手洗を愛せる男はいないことを。
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