89人が本棚に入れています
本棚に追加
「目覚めた。煙草吸っていい?」
「はい。お気になさらず。」
御手洗はベッドから起き上がると、鞄を漁り始めた。
「くそっ、買うの忘れた。」
「ちょっと待っててください、」
僕はリビングへ向かい、煙草とライターを持ち、御手洗の待つ寝室へと戻った。
「どうぞ。」
「ありがとう。光輝も俺と同じ煙草吸うんだな。」
「それはですね...」
「ん?」
「大学時代、省吾さんが喫煙所で吸ってるのを見かけて、真似しました。」
「はぁ...光輝ってどこまでもぶれねぇな。」
そう言いながら、御手洗は僕の肩を優しく叩いた。
「だって、省吾さんに少しでも近づきたくて。」
「それで、近づけた感想は?」
「幸せ。だけど、もっと僕だけを見て欲しい。と思ってしまいます。」
「へぇー。」
御手洗はそれだけ言うと、煙草に火をつけた。
僕はその姿をじっと見つめた。
「どうした?」
「見惚れてました。あまりにも絵になるので。」
「またお前は/」
「省吾さん、照れてます?」
「うるさい//」
「可愛いですね。」
「俺は可愛くねぇ//」
「ううん、とっても可愛くて、愛おしいです。」
すると、御手洗は煙草の火を消し、僕をベッドに押し倒した。
「省吾さん?」
「黙れ。」
御手洗はそれだけいうと、僕の唇にそっとキスをした。
最初のコメントを投稿しよう!